日々のまとめ

ド文系の航空大学校受験とか 個人的なレビューとか

ちょっと操縦士の免許について考えてみる

こんにちは。春原です。

 

連日の猛暑が大変だったのに今度は台風が来ています。速度が遅い台風だけに上陸しそうだけどしない感じで、少しでも便数を飛ばしたいLCCの運航部の方は大変かもしれません。

 

 

さて、前回LCCの自社養成について書きました。

Twitterでも話題には上がっていて、一番の懸念は2年後の入社選考で落とされることという話になりました。もし落とされたらローンとEASAのCPLとIRだけ残って無職…これはちょっとリスクが大きそうです。

 

同時に、訓練練度や航空業界の需要で採用人数を絞るという可能性もありそうだという話もしていましたが、2年間の訓練手当などの人件費も考慮すると、基本的には半分以上の訓練を終えた入社希望者は選考通過するのではという予測に至りました。(※ガバガバ予測です。前例もありませんし、説明会で詳細な話も聞いてませんからあくまで一個人の現時点での予測ということです。→追記︰基本的には通過させる予定のようです)

 

 

そこで気になったのが、もしその選考で落ちてしまった場合に他企業に副操縦士候補生として入社できるのか。

そもそもとして、パイロットの海外航空会社への転職はどのようになっているのかということです。

 

 

軽く調べたところ、多くの海外航空会社でFirst Officer(副操縦士)の要件として、

 

・飛行時間(場合によっては機種の指定あり)

ICAOのATPL(定期運送用操縦士免許)

・航空英語能力証明

・航空身体検査適合

・無事故

企業によっては、

・航空業界での勤務年数

・大卒

 

が求められているようです。

 

 

 

今回は特にICAOのATPLという部分に注目します。

 

ICAOというのは国際民間航空機関のことで、2018年4月現在で192ヵ国が加盟している国際機関です。日本も1953年に加盟しています。

 

ICAOのATPLというのは、ICAO加盟国のATPLということを指しているのだと思われます。

つまり、ICAOに加盟している各国の航空局が発行したATPLの資格が必要ということです。

 

では、日本の場合はこのATPL(定期運送用操縦士)の資格というのはどのタイミングで取得するかというと、機長として運航するために必須ということもあり、機長昇格の際になるようです。

つまり日本国内においてはATPL=機長だけが持っているというような形になるのかな

 

 

では、副操縦士が海外転職したい場合に、機長昇格に先駆けて自分で日本のATPLを取得することは出来るのでしょうか。

 

これも難しそうです。というのも、日本のATPLは航空機の型式ごとに発行されているようで、機長としての飛行時間も要求されるためです。 

機長昇格訓練をしていなければ難しそうですね。

 

 

では海外の場合はどうか。

 

通常は副操縦士となる前にATPLを取得するようです。

副操縦士の募集要件にATPLが要求されてるのもそのためでしょう。

 

取得の基準も例えばFAA(米国連邦航空局)のATPLなどは学科、飛行時間、計器飛行、CPLなどが中心で、特定の機種での機長としての飛行時間は要求していないようです。

(追記:新型ウイルス以前の航空需要が強い時期にはフライトタイム+CPLで米国のリージョナルなどは採用を行っていたようです。ATPLの取得費用は会社が支払うというような形式だったそうな。)

 

うーん。日本のATPLの基準が国際標準より厳しいみたいです。安全のために仕方ない気もしますが、航空業界で国際標準と違うというのも国内パイロットにとってはつらいところかもしれません。

 

つまり、日本で勤務している副操縦士がATPLの資格を取りたい場合は、外国で飛行時間などを証明して学科を受けるという形になるのではないでしょうか。

 

副操縦士であればできるかもしれません。

一方で、EASAのCPLの資格だけでは、ATPLの資格を取るためにさらにフライトスクールで飛行時間を貯めたりする必要があり、更にお金がかかりそうです。

 

 

 

話が込み入ってきましたがまとめると、もし副操縦士あるいはEASAのCPLとIRのみを取得している訓練修了生において、

 

海外航空会社に転職したい

副操縦士

海外でATPLを取得していれば可能

 

・訓練修了生

自費で飛行時間を貯めてATPLを取得すれば可能かもしれない

 

国内航空会社に転職したい

副操縦士

問題無し

 

・訓練修了生

JCABのCPLとIRに書き換えを行えば可能。しかし、航空会社での飛行時間などが要求されるケースもある。

追記:JCABに書き換えを行った場合は多発限定のCPLとなるため、機種ごとの飛行時間が求められる場合は厳しそうです。また、書き換えを行う際に事務手続だけでなく、認定フライトスクールで実地飛行が必要になるそうです。更に、この書き換えにそれなりに高額な費用がかかるようです。

 

 

という感じになりそうです。

いずれにしても、やっぱり2年後選考で落とされるとその後厳しい展開が予想されます。

本当に何人くらい残すつもりなんだろう…気になりますね。説明会が待ち遠しいです。

 

追記:ATPLと航空身体検査の証明はセットになるようです。例えば、FAAのATPLなどを取得して、海外航空会社にアプライした場合はFAAの航空身体検査の適合証明を提出する必要があります。

 

 

 それではまた次回

 

 

※今回の記事も個人的に情報を収集してまとめたものですので、間違っている部分がある可能性も大いにあります。気になる場合はご自身でご確認お願いします。

※間違っている点がありましたら、ご指摘下さい。すぐに訂正・削除します。